最近、企業による顧客情報の漏洩やサイバー攻撃のニュースを目にする機会が増えました。
大規模な個人情報流出やランサムウェア被害など、サイバー攻撃は決して「一部の大企業だけの問題」ではありません。
そんな中、注目を集めているのが、サイバーセキュリティ関連銘柄です。
その中でも今回は、**サイバーセキュリティクラウド(4493)**について考えてみます。
この記事では、
- サイバーセキュリティクラウドはどんな会社なのか
- なぜ最近株価が急騰しているのか
- 今後の成長余地
- 2027年・2030年の株価シミュレーション
- 現在の株価で買うべきなのか
について、個人投資家目線で考えてみます。
サイバーセキュリティクラウドとは?
サイバーセキュリティクラウドは、企業のWebサイトやWebサービスなどをサイバー攻撃から守るセキュリティサービスを提供している会社です。
代表的なサービスが「WAF(Web Application Firewall)」です。
WAFを簡単に説明すると、
「Webサイトの前に立って、不正アクセスや攻撃を見つけてブロックする警備員」
のようなものです。
同社はWAFを中心に、
- 攻撃遮断くん
- WafCharm
- Managed Rules
- SIDfm
- CloudFastener
- 脆弱性診断
- AI関連のセキュリティサービス
などを展開しています。
サイバー攻撃が増えれば増えるほど、企業にとってセキュリティ対策の重要性は高まります。
そのため、同社は今後も成長が期待される「サイバーセキュリティ」という市場に位置しています。
なぜ今、注目されているのか?
最大の理由は、実際にサイバー攻撃や情報漏洩が相次いでいることです。
最近では、
- 顧客情報の流出
- ランサムウェア攻撃
- 不正アクセス
- Webサイトへの攻撃
- クラウドサービスへの攻撃
など、さまざまな被害が発生しています。
企業がデジタル化すればするほど、守らなければならない情報やシステムも増えていきます。
つまり、
企業のDX化
↓
Webサービス・クラウド利用増加
↓
サイバー攻撃の対象増加
↓
セキュリティ対策への投資増加
という流れが生まれます。
この構造は、サイバーセキュリティ企業にとって長期的な追い風になります。
株価は一気に上昇
サイバーセキュリティクラウドの株価は、2026年10月に入って急激な上昇を見せました。
10月2日の終値は約1,973円でしたが、10月7日には2,858円まで上昇。
数営業日で約45%も上昇しました。
さらに10月7日には一時3,120円まで上昇し、ストップ高となっています。
出来高も急増しており、10月7日の出来高は約4,474万株。
これは通常時と比較して非常に大きな出来高です。
つまり、単に少し注目されたというレベルではなく、市場から大量の資金が流入していることが分かります。
株価上昇の背景には何がある?
今回の株価上昇は、単純に「情報漏洩ニュースが増えたから」だけではないと考えています。
大きく分けると、
① サイバー攻撃・情報漏洩の増加
② サイバーセキュリティ市場そのものの成長
③ 同社の業績成長
④ AIセキュリティへの展開
⑤ 市場からのテーマ株としての注目
この5つが重なっていると考えられます。
サイバー攻撃の増加を「実際のデータ」でも確認
個人的に注目しているのが、同社自身が観測しているサイバー攻撃の件数です。
2026年7~9月期に、同社のWAFを通じて観測された攻撃検知数は、
約10億7,000万回
に達しました。
前年同期比では約1.8倍です。
9月だけでも約4億5,000万回の攻撃を検知しています。
これは非常に重要なポイントだと思います。
単にニュースで「サイバー攻撃が増えている」と言われているだけではなく、実際にサイバーセキュリティクラウドが観測している攻撃も増えているからです。
業績も成長している
サイバーセキュリティクラウドは、テーマ性だけで株価が上昇している会社ではありません。
2025年12月期は、
- 売上高:約50.8億円
- 営業利益:約11.0億円
でした。
2026年12月期については、
- 売上高:60億円
- 営業利益:12億円
を会社側が予想しています。
さらに上期では、売上高・営業利益ともに前年同期を上回り、営業利益の伸びは売上高の伸びを上回っています。
つまり、売上を伸ばしながら利益率も改善していることがポイントです。
AIセキュリティという新しい成長テーマ
さらに注目したいのが「AI×セキュリティ」です。
生成AIやAIエージェントが企業に普及すると、AIそのものを安全に利用するためのセキュリティ対策が必要になります。
同社もAIアプリケーションの脆弱性診断サービスなど、AI関連のセキュリティ事業に取り組んでいます。
AI市場が成長する一方で、
「AIをどう安全に使うのか?」
という問題も大きくなっていくでしょう。
そのため、
AIの成長
と
AIセキュリティの成長
の両方を狙える可能性があります。
2030年の目標がかなり大きい
サイバーセキュリティクラウドを長期投資として考える場合、注目したいのが2030年度の中期経営計画です。
会社は2030年度に、
売上高200億円
営業利益40億円
を目標にしています。
2026年の売上高予想が60億円なので、4年程度で売上を約3.3倍にする計画です。
営業利益も12億円から40億円。
かなり高い目標です。
もちろん、目標を掲げたからといって達成できるとは限りません。
しかし、もし実現すれば、現在の株価水準を評価する際の重要な材料になります。
2030年の株価をシミュレーションしてみる
ここからは完全な予測ではなく、あくまでシミュレーションです。
2030年に営業利益40億円を達成し、純利益が約28~30億円になったと仮定します。
発行済み株式数を基準にすると、EPSはおおよそ280円前後になると仮定できます。
このEPSにPERを掛けて株価を計算してみます。
| 2030年PER | 想定株価 |
|---|---|
| 15倍 | 約4,200円 |
| 20倍 | 約5,600円 |
| 25倍 | 約7,000円 |
| 30倍 | 約8,400円 |
| 40倍 | 約11,200円 |
現在の株価が2,858円だとすると、2030年にPER25倍なら、
約7,000円
という計算になります。
もちろん、これは「2030年の会社目標を達成できた場合」のシミュレーションです。
会社の成長が鈍化したり、PERが低下したりすれば、当然この数字には届きません。
2027年はどうなる?
むしろ短期的にはこちらの方が重要です。
2027年のEPSを95~125円程度と仮定してみます。
| シナリオ | EPS | PER | 株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 95円 | 20倍 | 1,900円 |
| 標準 | 110円 | 25倍 | 2,750円 |
| 強気 | 120円 | 30倍 | 3,600円 |
| 超強気 | 125円 | 35倍 | 4,375円 |
この表を見ると、現在の2,858円という株価がそれほど安くないことが分かります。
2027年の標準シナリオでは、現在の株価を下回る可能性もあります。
一方で、成長が続きPER30~35倍を維持できれば、3,600~4,375円という可能性もあります。
つまり、
短期では期待値がかなり織り込まれている
一方で、
長期では会社が大きく成長できれば上昇余地が残っている
という状態だと考えられます。
現在の株価は割安なのか?
2026年10月7日時点では、株価約2,858円。
PERは約34倍、PBRは約6倍です。
配当利回りは約0.2%程度しかありません。
したがって、これは明らかに「高配当株」ではありません。
むしろ、
将来の利益成長を期待して買われている成長株
です。
そのため、
「配当利回りが低いからダメ」
という評価も、
「サイバーセキュリティ市場が成長するから買い」
という評価も、どちらも少し極端です。
重要なのは、現在の株価が将来の成長をどこまで織り込んでいるのかです。
個人的に注目したい株価水準
今回のシミュレーションから考えると、個人的には次のように考えます。
2,000円前後
かなり検討しやすい水準。
2026年予想EPSに対するPERも現在より低下するため、成長株として検討しやすくなります。
2,300円前後
十分検討できる水準。
2030年の成長を考えれば、まだ面白い価格帯です。
2,500円前後
慎重に検討。
会社の成長が順調に続くことが重要になります。
2,850円前後
私は追いかけ買いには慎重になりたい水準。
すでにかなりの成長期待が株価に織り込まれていると考えます。
3,000円超
さらに慎重。
サイバーセキュリティ市場が成長するだけではなく、サイバーセキュリティクラウド自身が高い成長率を維持することが必要になってきます。
「情報漏洩が増えたから買い」ではない
今回の記事で一番伝えたいのはここです。
企業の情報漏洩が増える。
↓
サイバーセキュリティが重要になる。
↓
セキュリティ投資が増える。
↓
サイバーセキュリティ企業の業績が伸びる。
この流れが本当に成立するなら、サイバーセキュリティクラウドには大きな成長余地があります。
しかし、
情報漏洩ニュースが増えた=株価が上がる
ではありません。
最終的には、
契約数が増えるか
ARRが増えるか
売上が増えるか
営業利益が増えるか
を見る必要があります。
私ならどうする?
現在のサイバーセキュリティクラウドは、会社としては非常に興味深い銘柄だと思います。
特に、
- サイバー攻撃の増加
- AIセキュリティ
- クラウドセキュリティ
- ストック型収益
- M&A
- 海外展開
という複数の成長テーマを持っている点は魅力的です。
一方で、株価はすでにかなり上昇しています。
そのため、
「良い会社だから今すぐ買う」
ではなく、
「良い会社だからこそ、株価を見ながら買う」
という考え方をしたいところです。
個人的には、2,300~2,500円程度まで調整する場面があれば、より検討しやすくなると考えます。
2,000円前後まで下がることがあれば、2030年の成長を狙った長期投資としてさらに面白くなります。
逆に3,000円を大きく超えていく場合は、企業の成長スピードが市場の期待に追いついているかを慎重に確認したいところです。
まとめ
サイバーセキュリティクラウドは、今後のサイバー攻撃増加という社会的な問題を事業機会に変えられる可能性のある企業です。
さらにAIの普及によって、「AIを守るセキュリティ」という新しい市場も生まれています。
会社は2030年度に、
売上高200億円
営業利益40億円
という大きな目標を掲げています。
この目標を達成できれば、現在の株価から大きく成長する可能性があります。
一方で、現在の株価にはすでにかなりの成長期待が織り込まれています。
そのため、
「会社は面白い。でも株価は冷静に見る」
という姿勢が重要だと思います。
高配当株を中心に資産形成をしている投資家にとっては、サイバーセキュリティクラウドは配当目的の銘柄ではありません。
しかし、FIREまでの資産形成期間に「成長株枠」を持つのであれば、サイバーセキュリティという長期テーマとAIセキュリティの成長性を考えると、今後もチェックしておきたい銘柄の一つです。
今後は、情報漏洩ニュースそのものではなく、サイバーセキュリティクラウドの売上・利益・ARRがどこまで伸びるのかに注目したいと思います。


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