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ヒカル×ロコンドのコラボはなぜ失敗した?リーボック「ポンプフューリー」販売中止から考えるジェイドグループの企業価値

企業分析

YouTuberのヒカルさんと、ロコンドを運営するジェイドグループ。

過去には、ヒカルさんが手掛けるブランド「ReZARD」とロコンドのコラボシューズが大きな話題となり、ヒット商品を生み出しました。

しかし、今回のReZARDとリーボックのコラボシューズ「インスタポンプフューリー」は、必要な販売数量に達せず、注文がキャンセルされる結果となりました。

なぜ、過去に成功を収めたコラボ企画が、今回は販売中止という結果になったのでしょうか。

商品そのものの魅力や価格だけでなく、私が気になったのは、ヒカルさん自身の熱意や、視聴者を巻き込むストーリーが十分に感じられなかったことです。

今回は、視聴者として感じた前回との違いを振り返りながら、今回の販売中止の背景と、ジェイドグループの企業価値への影響について考察します。

※本記事では、確認できた経緯と筆者個人の考察を区別しています。販売中止の具体的な原因や会社への影響額について、公式に確認できていない部分は断定していません。

1.ヒカル×リーボックのコラボシューズが販売中止に

今回話題となったのは、ヒカルさんが手掛けるブランド「ReZARD」と、スポーツブランドのリーボックによるコラボシューズです。

商品は、リーボックを代表するモデルの一つである「インスタポンプフューリー」をベースとしたものです。

しかし、今回の企画は必要な販売数量に達せず、注文がキャンセルされる結果となりました。

過去にヒカルさんとロコンドが大きな成功を収めていたことを考えると、今回の結果を意外に感じた人もいるのではないでしょうか。

もちろん、一つの商品が売れなかったからといって、ヒカルさんの人気が落ちたと判断することはできません。

商品の価格やデザイン、販売方法、購入者の需要など、さまざまな要因が売れ行きに影響するからです。

ただ、今回の企画を振り返ってみると、過去のコラボとの違いとして気になった点がありました。

それが、商品を売るまでのストーリーです。

2.前回のコラボにはあって、今回は感じられなかったもの

私が今回の販売中止について考えるうえで、最も気になったのはヒカルさんの熱意です。

もちろん、動画を見ただけで本人の本当の気持ちを判断することはできません。

ここでいう熱意とは、あくまで視聴者にどれだけ本気度が伝わっていたか、という意味です。

前回は商品を売ること自体が一つのストーリーになっていた

過去のヒカルさんとロコンドのコラボでは、宮迫さんとのやり取りなども含め、商品が生まれるまでの過程そのものがコンテンツになっていました。

視聴者は、完成した商品を紹介されるだけではありません。

企画が進んでいく様子を見たり、関係者のやり取りを楽しんだりしながら、商品に興味を持つことができました。

そして、販売が始まれば、商品を買うことが企画を応援する行動にもなります。

つまり、商品を売ることと、YouTubeのコンテンツを楽しむことが結びついていたのではないでしょうか。

過去のコラボが成功した理由は一つではありません。商品自体の魅力や価格、ブランドの認知度なども重要だったはずです。

それでも、商品ができるまでのストーリーが、視聴者の購買意欲を高める一因になっていた可能性はあると思います。

今回はコラボシューズの登場が唐突に感じられた

今回のコラボについて、私が最初に気になったのは、田中社長の密着動画でコラボシューズが紹介された場面です。

私には、突然コラボ商品が紹介されたように感じられました。

もちろん、商品が登場するまでに、視聴者には見えないところでさまざまな準備があったのかもしれません。

しかし、視聴者の立場からすると、商品ができるまでの過程や、今回のコラボに懸ける思いが十分に伝わってこなければ、購入したいという気持ちも生まれにくくなります。

過去のコラボを知っているからこそ、今回は少し物足りなさを感じました。

商品を紹介することと、視聴者がその商品を買いたくなるようなストーリーを作ることは、同じではありません。

今回の企画では、この違いが重要だったのではないかと考えています。

3.27時間生配信は、販売を盛り上げる絶好の機会だったのでは?

今回のコラボを考えるうえで、もう一つ気になったのが、ヒカルさんの27時間生配信です。

生配信の中でもコラボシューズは紹介されていました。

しかし、私には番組内に登場する企画の一つという印象が強く、何としても商品を売り切ろうという気迫は、あまり感じられませんでした。

もちろん、これは私個人の視聴者としての感想です。

ただ、せっかく大きな生配信の機会があったのであれば、もう少し違う見せ方もできたのではないでしょうか。

例えば、次のような企画です。

  • 今回のコラボに懸ける思いを、ヒカルさん自身が熱く語る。
  • 販売目標と現在の注文数を視聴者に共有する。
  • 「目標まであと何足」という形で進捗を伝える。
  • 注文が増えるたびに、視聴者と一緒に喜びを共有する。
  • 配信の最後まで目標達成に挑戦し、その結果を報告する。

こうした展開があれば、視聴者は単に商品を紹介されるのではなく、ヒカルさんと一緒に目標達成を目指す感覚を味わえたかもしれません。

もちろん、このような企画を実施していれば必ず売れた、というわけではありません。

それでも、販売目標に向けて視聴者を巻き込む演出は、今回の企画に足りなかった可能性のある要素だと思います。

「あと何足」という演出には意味がある

例えば、ヒカルさんが配信中に、

「今回のコラボシューズを絶対に成功させたい。目標まであと1,000足だから、みんなの力を貸してほしい!」

と呼びかけたらどうでしょうか。

もちろん、これはあくまで演出の一例です。

実際の注文数を正確に共有し、販売状況を透明に伝えることが前提になります。

こうした企画の魅力は、視聴者が購入者であると同時に、目標達成に参加する一員のように感じられることです。

好きなYouTuberが本気で挑戦している姿を見て、自分も応援したいと考える人はいるでしょう。

その結果、商品そのものの魅力に加えて、応援すること自体が購入の動機になる可能性があります。

ヒカルさんの知名度を活用するだけでなく、視聴者が「自分もこの企画に参加したい」と感じる仕組みを作ることが重要だったのではないでしょうか。

4.ヒカルの人気があっても、商品が売れるとは限らない

今回の件から改めて考えたいのは、インフルエンサーマーケティングの難しさです。

ヒカルさんには多くの視聴者がいます。

しかし、動画を見ることと、実際に商品を購入することの間には、大きな隔たりがあります。

例えば、視聴者の中には次のような人がいます。

  • ヒカルさんの動画を見ること自体が好きな人
  • ヒカルさんのブランドを応援している人
  • リーボックのスニーカーが好きな人
  • 今回の商品のデザインに魅力を感じる人
  • 価格や用途を考えて購入を決める人

これらの人たちが、すべて同じように商品を購入するわけではありません。

どれだけ話題になっても、商品のデザインが好みに合わなかったり、価格に納得できなかったりすれば、購入を見送る人はいます。

また、すでに似たようなスニーカーを持っている人にとっては、新たに購入する理由が必要です。

つまり、インフルエンサーの知名度は商品を知ってもらうための強力な武器になりますが、それだけで販売目標を達成できるわけではありません。

商品そのものの魅力に加えて、購入する理由やタイミングを作ることが必要です。

今回の販売中止の原因が、実際にヒカルさんの熱意や企画の見せ方にあったのかは、現時点では断定できません。

しかし、視聴者を巻き込むストーリーが弱かった可能性は、検討する価値のある仮説だと思います。

5.過去に成功したヒカル×ロコンドのコラボ

今回の件を考えるうえでは、過去の成功も振り返っておきたいところです。

ジェイドグループが公表した過去の資料では、ヒカルさんとのリザードのシューズ開発プロジェクトについて、1つのデザインで10万足を販売した実績が紹介されています。

当時の取り組みでは、YouTube上の企画やストーリーに加え、品質と価格のバランスも成功要因として挙げられていました。

参考資料:
ジェイドグループの過去の発表資料

この実績を考えると、今回の販売中止は、単純にヒカルさんの人気が落ちたという話では片付けられません。

過去のコラボと今回のコラボでは、商品も販売企画も異なります。

そのため、同じような販売実績を再現できなかったとしても、それだけでヒカルさんの影響力がなくなったとはいえません。

むしろ、過去の成功には複数の要素が組み合わさっていた可能性があります。

  • 商品そのものの魅力
  • ブランドの認知度
  • 価格に対する納得感
  • 商品が完成するまでのストーリー
  • ヒカルさん自身の発信
  • 視聴者が企画を応援したくなる雰囲気

これらの要素がうまく組み合わさったからこそ、大きな販売実績につながったのかもしれません。

もし今回、商品紹介や販売企画の部分が十分に機能していなかったのであれば、過去の成功モデルを再現するための工夫が必要だったと考えられます。

6.ジェイドグループの企業価値はどうなる?

ここからは、投資家の視点で考えてみます。

今回の件で注目したい企業は、ロコンドを運営するジェイドグループ(東証グロース・証券コード3558)です。

ジェイドグループは、EC事業やブランド関連事業などを展開しており、リーボックの国内展開にも関わっています。

今回のコラボシューズが販売中止になったことは、同社の販売戦略を考えるうえで気になる出来事です。

ただし、今回の商品が販売目標に届かなかったことと、ジェイドグループ全体の業績が悪化することは、分けて考える必要があります。

短期的には、業績への影響額を確認したい

今回の販売中止によって、ジェイドグループにどれほどの損失が生じたのか。

これは、現時点では具体的な数字を確認できていません。

商品の販売予定数や利益率、企画にかかった費用などが分からなければ、業績への影響を正確に計算することはできません。

仮に今回の企画が会社全体から見て小規模なものであれば、直接的な業績への影響は限定的かもしれません。

一方、販売準備や販促に多額の費用がかかっていた場合には、費用の回収という観点でも確認が必要です。

大切なのは、販売中止というニュースだけで判断するのではなく、実際にどの程度の売上や利益に影響するのかを見極めることです。

中長期的には、コラボの再現性が重要

私がより重要だと考えているのは、今回の件が今後のブランド戦略に与える影響です。

過去のコラボで大きな販売実績を上げたとしても、その成功を継続的に再現できなければ、長期的な成長につなげることは難しくなります。

投資家としては、次の点を確認したいです。

① 今後もヒカルさんとのコラボが販売につながるのか

今回だけの失敗であれば、過度に悲観する必要はないかもしれません。

しかし、同じような販売不振が繰り返されるのであれば、販売企画や需要予測に課題がないかを考える必要があります。

② コラボ商品以外でも成長できるのか

特定のインフルエンサーとのコラボだけに依存するのではなく、通常商品の販売やEC事業全体で利益を伸ばせるかどうかも重要です。

③ 今回の失敗を次に生かせるのか

今回の販売中止を受けて、商品企画や販売方法を改善できるのであれば、今後の事業運営にとって学びになる可能性もあります。

一方、過去の成功に頼り続け、需要に合った商品や販売方法を作れなければ、将来的な成長に不安が残ります。

今回の一件だけでジェイドグループの企業価値が大きく下がると断定することはできません。

ただし、今後のコラボ戦略を見極めるための警戒材料にはなると考えています。

7.ジェイドグループ株を投資対象として考えるなら

今回の件を受けて、ジェイドグループへの投資を検討する場合には、コラボ商品の販売結果だけで判断するのではなく、会社全体の業績や株価指標も確認する必要があります。

私なら、次の3点を重視します。

① 利益成長が続いているか

売上高が伸びていても、利益が伸びなければ、必ずしも企業価値の向上につながるとは限りません。

営業利益や利益率の推移を確認し、事業全体がどの程度の収益力を持っているのかを見極めたいところです。

② リーボック事業が利益に貢献しているか

リーボックのブランド力を活用し、通常商品も含めて安定的に販売できているのであれば、コラボ商品の成否だけで会社全体を評価する必要はありません。

一方、特定の企画に売上が偏っているのであれば、その再現性や持続性を慎重に評価する必要があります。

③ 株価に今回の失敗がどこまで織り込まれているか

仮に販売中止のニュースを受けて株価が下落したとしても、それだけで割安になったとは限りません。

企業価値を考える際には、今後の利益予想、財務状況、成長性なども含めて判断する必要があります。

今回のニュースは投資判断の材料の一つですが、それだけで買い時や売り時を決めるのは避けたいところです。

8.まとめ:商品を売るには、知名度だけでなくストーリーが必要

今回のReZARDとリーボックのコラボシューズが販売中止になったことについて、私が最も気になったのは、ヒカルさんの知名度そのものではありません。

視聴者として、商品を売るための熱意や、目標達成に向けて一緒に盛り上がるストーリーが、前回ほど感じられなかったことです。

前回のコラボでは、商品が生まれるまでの過程も含めて楽しめる企画になっていたように感じます。

一方、今回は商品が紹介されていても、視聴者が一緒に販売を盛り上げる仕組みが十分に感じられませんでした。

もちろん、これが販売中止の直接的な原因だったと断定することはできません。価格やデザイン、需要予測など、ほかの要因も考えられます。

それでも、今回の件から学べることはあります。

インフルエンサーの知名度が高いことと、その影響力を実際の売上に変えられることは別です。

商品を知ってもらい、購入したいと思ってもらい、さらにブランドのファンになってもらう。

この流れを作れるかどうかが、企業の販売戦略を考えるうえで重要になります。

ジェイドグループについても、今回の販売中止だけで企業価値を判断するのではなく、今後のコラボ戦略や通常商品の販売、会社全体の業績を継続的に確認していきたいと思います。

今回の失敗が一時的なものなのか、それとも過去の成功モデルを見直す必要があることを示しているのか。

今後のジェイドグループの動向にも注目していきます。

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